私がブログを始めて変わったこととして、ネットでニュースや記事を読む視点が変わった、興味範囲が広がった、ということがあります。
「なぜ、プロ棋士には『打つべき一手』が見えるのか?」というネット記事の見出しが目に入りました。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190326-00020236-gonline-bus_all
記事の元は幻冬舎ゴールドオンラインです。
https://gentosha-go.com/
従来の私であれば、この記事は無視して読みません。
なぜかというと、私は「なぜ、プロ棋士には『打つべき一手』が見えるのか?」の答えを知っています。なので、この記事を読んでも新しい知識や知見を得られることはないだろう、と考えて無視します。
私の愛読書である「ファスト&スロー」(ダニエル・カーネマン著)に、チェスの達人が良い手を思いつく過程について述べられています。要するに、直感です(ダニエル・カーネマンの言い方、つまり心理学の表現を使えば「システム1」で決定しています)。こう打ったら、相手はこう打つから、その場合はこうして、ああして、こうなった場合はこっちの手を使う、というように論理的に考えている(ダニエル・カーネマンの言い方、つまり心理学の表現を使えば「システム2」で決定しています)のではない、ということです。もちろんそのように考える局面もあるとは思いますが。
直感といっても、膨大な経験に裏打ちされた直感です。素人の直感とは違います。
トップアスリートが「身体が勝手に反応する」、と言うようなものに近いのかもしれません。
「ファスト&スロー」ではチェスの達人が良い手を思いつく過程について述べられていましたが、プロ棋士の場合も同じでしょう。将棋または囲碁の達人なのでしょうから。
だから、私は「なぜ、プロ棋士には『打つべき一手』が見えるのか?」の答えを知っていると、自信を持って判断でき、その記事を無視するのです。
が、ブログを始めて数か月経っている私は、ちょっと別の視点でこの記事のタイトルが気になったのです。
よく、書籍やネット記事の見かけるタイトルに「なぜ○○は、△△なのか?」というものがありますよね。ああいうタイトル、私は大嫌いなのです。
まず、「○○は、△△である」という前提そのものに疑問がある場合がよくあります。明らかに読者をミスリードすることを目的とした表題が気に食わないのです。
とは言ってもですよ、そういう表題の書籍やネット記事が多数あるということは、そういうタイトルを付けると、売れる、読まれる、という現実があるのでしょう。
ブログで収益化を狙っている私としては無視できない現実です。
そこで、ひとつ勉強してみようじゃないか、と思って「なぜ、プロ棋士には『打つべき一手』が見えるのか?」を読んでみたのです。記事の配信元は幻冬舎GOLD ONLINEとなっています。幻冬舎はよく売れる本を出している出版社なので勉強させてもらう相手としては十分な信頼があります。
記事の構成と内容は概略以下の通りです。
最初に記事の概要が説明されています。「12歳でプロになり、26歳で囲碁界初の七冠を達成した、天才棋士・井山裕太。2017年10月には、史上初となる二度目の七冠制覇を成し遂げた。「常識外」「独創」といわれる一手は、どのように生まれているのだろうか。本連載では、書籍『勝ちきる頭脳』より一部を抜粋し、ビジネスにも効く、勝利をモノにする思考法を紹介する。」
とのことです。
それ以下は、天才棋士・井山裕太の著書「勝ちきる頭脳」の抜粋でした。
冒頭で記事の概略を説明して、その後に具体的な内容が書かれている、という一般的なセオリー通りの構成の記事ですね。
で、記事の内容としては、要するに書籍の紹介ということです。
書籍「勝ちきる頭脳」(井山裕太 著)の出版社はもちろん幻冬舎です。
幻冬舎が出版している書籍を幻冬舎が宣伝するのは当たり前ですね。
ただ単に良い本ですよ、こんな本です、というだけの紹介ではないのですね。
ネット記事の冒頭の紹介部分にあるように「本連載では、書籍『勝ちきる頭脳』より一部を抜粋し、ビジネスにも効く、勝利をモノにする思考法を紹介する。」という紹介の仕方をしています。
囲碁ファンなら天才棋士・井山裕太氏の書籍とあらば放っておいても「勝ちきる頭脳」を買うでしょう。
しかし、「ビジネスにも効く、勝利をモノにする思考法を紹介する」と言われれば、特に囲碁ファンでなくても、囲碁界の第一人者の考えや思考法が参考になる、と思う可能性は十分にあります。
購買層を単に囲碁ファンだけでなく、一般のビジネスパーソンにまで読者層を広げようとしているのだと思います。ネット記事によりこの本をビジネス書としてのブランディングをしているということですね。
さらにちょっとこれは邪推ですが、ネット記事のタイトルに「プロ棋士」とありますよね。私は「プロ棋士」と言われたら、正直なところ将棋の棋士を想像しました。
日本では囲碁よりも将棋の方が人気があるのではないでしょうか。
特に、藤井聡太氏の出現により将棋界は非常に盛り上がっています。
タイトルが「プロ棋士」だと将棋ファン、囲碁ファンあるいはこれらの経験者の両方が興味を持つのではないでしょうか。仮に「プロ囲碁棋士」のように囲碁のプロであることがタイトルに明示されていると、ネット記事の閲覧数が下がるのではないかと邪推しています。
囲碁ファンの方、ゴメンナサイ。。。
そして、ビジネス書としての価値を見出すのであれば、書籍の著者が囲碁の棋士か将棋の棋士かは関係ない、と判断するでしょう。実際、私もこのネット記事を読んだときに、書籍「勝ちきる頭脳」の著者が、囲碁界のトッププロであるか、将棋界のトッププロであるかとは関係なく、その道のトッププロであることにビジネス書としての価値を感じました。ただし、それはネット記事のタイトルをクリックして、紹介文を読んだ後で判断できることです。なので、まずは入口であるタイトルのところでは、あえて囲碁のプロ棋士であることは明示せずに、将棋ファンや経験者にも記事を読んでもらうために「プロ棋士」としたのではないかと考えています。
もう一度、囲碁ファンの方、ゴメンナサイ。。。
勉強させていただきました。
ちなみに、ネット記事で抜粋されていた「なぜ、プロ棋士には『打つべき一手』が見えるのか?」に関する、井山氏の著書の内容についてですが、これに関しては、本ブログ記事で最初の方に書いたように、私の愛読書である「ファスト&スロー」(ダニエル・カーネマン著)に、チェスの達人が良い手を思いつく過程について述べられていた通りの内容でした。なので、「なぜ、プロ棋士には『打つべき一手』が見えるのか?」ということに関しては完全に予想通りで、私にとってこの点で新しい知識はありませんでした。
と、こんな感じで、ブログを始めた後では、単に記事の内容に私が興味を持てるかどうか、というだけでなく、記事の書き方やブランディング、売り方のテクニックを学ぶためにニュースやネット記事を読むようになりました。
興味範囲が広がった、ということですね。
まだまだ弱小ブログですが、これからも勉強していきますよ!
ちなみに、このブログで挙げた2つの書籍
「勝ちきる頭脳」(井山裕太 著)
「ファスト&スロー」(ダニエル・カーネマン著)
のアマゾンのリンクでも貼ってアフィリエイト収入を狙いたいところなのですが、
アマゾンアソシエイトの審査に落ちたので、、、
Orange
2019.5.5
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