成功したければ、万能能力である自己コントロール能力(自制心)を高めよう

お金の話

※組織(会社)に属して働く年収2,000万円超えの自称プロ会社員である筆者による年収アップ術です。

在宅勤務だとついついサボってYouTubeを見たりしてしまいませんか?

試験前で勉強しなければいけないのに、ついつい部屋の掃除をしたりしていませんか?

トレーニングする予定だったのに、休む言い訳を探したりしていませんか?

私は全部に心当たりがあります。。。

こういった問題は、自己コントロール(自制心)の問題です。

自己コントロール(自制心)

自己コントロールとは、どれが自分にとって望ましい欲求かを決めて、対立するあまり望ましくない欲求を退けることです。自制心とも言います。

目標や実現したいことがあれば、誰しもそれに向かってやるべきことをしますよね。「目標達成のために何をすべきか」を知ることはそれほど難しいことではないかと思います。

「目標を達成するまでそれを続けること」が非常に難しいのですよね。

誰もが実感として分かっていることかと思います。

続けることが辛いときもあります。色々な誘惑もあります。

この自己コントロールは、成功するには極めて重要なスキルなのです。

自制心を研究している心理学者のウォルター・ミシェルによれば、「自制心は、満足のいく人生を築くのに絶対必要なEQ(情動的知能)の根底にある『万能能力』」(書籍『マシュマロ・テスト』)とされています。

マシュマロ・テスト

心理学者のウォルター・ミシェルが行った有名な「マシュマロ・テスト」の実験を紹介します。幼稚園児に対して行った実験で、目先のお楽しみを先延ばしにする能力を調べたものです。

実験者は、子供の前にマシュマロを一つ置きます。そして実験者は「(子供を一人部屋に残して)これから部屋を出ていくが、戻ってくるまでの20分間、食べるのを我慢できたら、マシュマロをもうひとつあげよう」と約束します。そして、選択肢として「我慢できずに食べたくなった時にはベルを押せば、すぐに戻ってくるので、そしたら目の前のマシュマロを食べてもよい」と約束して、子供を残して部屋を出ていきます。

20分我慢できた子は、マシュマロを2つもらえますが、我慢できなかった子は1つです。つまり幼児の自己コントロール能力をみる実験なのです。

この実験はさらに数十年にわたってマシュマロ・テストを受けた子供たちの追跡調査がされており、マシュマロ・テストで20分我慢できた子の方が学業成績がよく、また年収も高く、健康的な生活をしている、ということが分かっています。

また、マシュマロ・テストの実験により自己コントロール(自制心)の問題が注目を集めたことで、様々な実験や研究が行われて、自己コントロールの能力(自制心)が人生を成功に導く最重要なスキルであることが分かっています。

考えてみれば当たり前ですよね。どんなに才能に恵まれていても、それを開花させるまで継続的に訓練をしないと成功しないでしょうから、確かに最重要なスキルであると思えます。世の成功者たちは自己コントロールの能力が高そうですね。イチロー選手、大谷翔平選手、藤井総太七段(将棋棋士)、タイガーウッズ、などなど、挙げればきりが無いですね。

マシュマロ・テストについては、詳しくは書籍『マシュマロ・テスト』 ウォルター・ミシェルを参照してください。下にリンクを貼っておきます。

なお、書籍『マシュマロ・テスト』は自己コントロールのスキルを向上させたい人には一読の価値のある本で、さらに、育児中の方には必修としても良いと思います。子供が小さいうちに読んでおかないと後悔すると思います。

さて、マシュマロ・テストとその後の追跡調査では、子供の頃に自己コントロールの能力に優れた子は成功しやすい、ということですが、成功するかどうかは子供の頃に決まってしまう、ということではありません。マシュマロ・テストの著書にもそう書いてあります。

自制心は、筋肉のようなものと例えられることがあり、使えば消耗し、回復の時間が必要になる。自制心は一度にたったひとつのことにしか働かない。どれほど強い自制心にもエネルギー量に限りがある。また筋肉と同じように、自制心も鍛えれば強くなる、と考えられているようです。

なので、自己コントロールのスキル(自制心)は後から向上させることもできるのです。

自己コントロールの能力(自制心)を強くするには

自己コントロールの能力(自制心)を強くするために、じっと我慢する練習をして鍛える、ということではありません。

別に滝に打たれる必要もありません。

瞑想しなくてもいいです(もちろんしても良いです)。

ちょっとした工夫を凝らすのです。

ホメロスの叙事詩『オデュッセイア』のお話

自制心の問題に関して心理学の本でいつも紹介される事例は、ホメロスの叙事詩『オデュッセイア』に出てくるオデュッセウスが海の精セイレーンの誘惑に打ち勝つ方法です。海の精セイレーンが住む島の傍らを舩で通過すると、セイレーンの魅惑的な歌声は、船で通りかかった人々の心を奪い、船を岩礁に導き、難破させてしまうのです。

そこでオデュッセウスは、部下の船乗りたちに命じて、自身を帆柱にしっかりと縛りつけたままにさせました。そして「もし私が縄をほどいてくれと乞い、命じたら、さらに縄を巻いて縛りつけてくれ」と言いつけました。船乗りたちは、自らを守り、オデュッセウスを縛りつけたままにしておくために、蜜蠟で耳をふさぐように命じられました。

これによりオデュッセウスはセイレーンが住む島の横を無事に通り抜けることができます。つまり、将来に発生する誘惑に対する対策をしっかりとしておく、ということです。

「イフ・ゼン(もし~したら、そのときには~)」プラン

『マシュマロ・テスト』に紹介されている方法で、「イフ・ゼン(もし~したら、そのときには~)」プランというものがあります。英語の「If ~, then~」の意味です。

もし(If)~したら、そのときには(then)~、というように、予想される誘惑に対する対処方を予め決めておく、ということです。上に挙げたオデュッセウスがとった方法を応用するのですね。

『マシュマロ・テスト』では、ミスター・クラウン・ボックスの実験が紹介されており、幼稚園児が魅力的なミスター・クラウン・ボックスの誘惑に負けずに課題をこなすことができるかどうかが実験されました。

幼稚園児がミスター・クラウン・ボックスの誘惑に打ち勝つための戦略として、ミスター・クラウン・ボックスが遊びに誘ってきたら、ミスター・クラウン・ボックスの方は見ずに『だめ、できないよ。仕事をしているんだから』と答える、ということを決めておくと、幼稚園児たちは課題について最良の結果が得られました。

その後も、イフ・ゼンプランは研究され、重要ではあるが達成の難しい目標を人々が追及しようとしているときに、とても情動的にホットな状況下でさえ、イフ・ゼンプランは効果があることが示されています。

このイフ・ゼンプランは、幼稚園児だけでなく、学生や社会人にも使えます。

たとえば、1か月後の試験のために、仕事(学校)が終わったら、すぐに帰って勉強する、ということを決意していたとします。そういう場合は、もし、友人に飲み(遊び)に誘われたならば、「1か月後の試験のために勉強するので、飲み(遊び)に行くのはその後にします」と断ろう、と決めておくのです。

誘われてから、「どうしようかな~、勉強しないとなぁ」、と迷って断るのではなく、予めシミュレーションしておくのです。予め断りのセリフを決めておくことで、誘われた際に考える間を置かずに即答で断るのです。

シミュレーションにより練習をしておくのも有効なようです。練習を重ねることで、ほぼ自動的に実行できるように習慣化でき、負担の大きな自己コントロールが楽になります。誘惑があるたびに冷静に考えて判断するのは脳への負担が大きいので、反射的に答えられるようにしておく、ということです。

そうすることで、自制心を発揮しやすく、断りやすくなります。

誘惑が目に入らないようにする

『マシュマロ・テスト』のなかで誘惑に打ち勝つための有効な戦略として、誘惑の対象となるものが目に入らなくなるようにする、というものがあります。

マシュマロ・テストの最中に子供が使った戦略で、マシュマロが見えないように隠してしまうのです。この戦略を採用することで、子供が20分待てるようになる子供が大幅に増えたのです。そこにマシュマロがあることが分かっていても、見えないようにすることで誘惑を断ち切りやすくなるのです。

この戦略は、もちろん会社員にも適用できます。

自分の集中を乱す原因となるものや誘惑となるものを見えなくなるようにすればいいのです。

在宅勤務中についついスマホをいじってしまって仕事に集中しづらいならば、スマホを別の部屋に置いておくのです。メールや電話の着信が聞こえないようにしておくとよいでしょう。

ダイエット中にお菓子を食べたくなる誘惑にかられるのであれば、家にお菓子を置いておかないようにするのです。補助的な戦略として、お腹が空いているときには買い物に行かない、というのも良いですね。

自己コントロールの問題ではスピードが決め手になる

自己コントロールの問題ではスピードが決め手になります。誘惑にかられた行動を実行するのに手間がかかるようにしておくのです。このわずかな手間により自己コントロールしやすくなるのです。

別の部屋にスマホがあるなら、スマホを見るには別の部屋にわざわざ取りに行かないといけません。

ダイエット中にお菓子を食べたくなっても、部屋に無ければわざわざ買いに行かなければなりません。ちょっと面倒な状態にしておくことで、誘惑に屈する確率を減らせるわけです。

誘惑は脳内の「ホットな情動システム」に働きかけます。

一方で、自制心は脳内の「クールな認知システム」の働を必要とします。

「ホットな情動システム」は、負担が小さく素早く反応し、また、自動的に働くシステムなので意識的な制御ができません。

一方で、「クールな認知システム」は負担が大きくゆっくりと作動します。自動ではなく意識的に作動させるシステムになります。

自己コントロールの問題でスピードが重要なのは、誘惑にかられた行動を実行するのに手間がかかるようにしておくことで、「クールな認知システム」が働くための時間をかせぐことができるためだと思われます。

なお、ウォルター・ミシェルの『マシュマロ・テスト』の中で説明されている「ホットな情動システム」、「クールな認知システム」は、ノーベル経済学賞を受賞した社会心理学者ダニエル・カーネマンの書籍『ファスト&スロー』の中で説明されれている「システム1」、「システム2」と同じものです。

ストレスをためないようにする

ストレスを抱えた状態だと誘惑に屈しやすくなることが知られています。

誘惑は脳内の「ホットな情動システム」に働きかけます。

一方で自制心は、脳内の「クールな認知システム」の働を必要とします。

ストレスがかかった状態だと、「クールな認知システム」の働きが弱まり、逆に「ホットな情動システム」の働きが活発になることが知られています。

なので、常日頃からストレスをためないように、生活していくことも重要です。

ストレスをためないための習慣は沢山ありますね。そのうち、ブログでも紹介する予定です。

一例として、運動はセロトニンレベルを高めてストレス解消する効果があることが知られていますので、運動する習慣をもつとよいですね。

おわりに

人は誰でも誘惑には弱いことは、脳科学、心理学からも明らかです。誘惑に弱いことは罪ではありません。

自分だけが誘惑に弱いわけではありません。

たぶん。。。そう信じています。

自己実現に向けて努力する決意をしても、色々と誘惑があります。

人は誰しも弱いのだから仕方ないでしょう。

弱い自分を受け入れて、ちょっとした工夫をすることで自己実現が近づきます。

 

私も少しでも理想の自分に近づけるように自己コントロール能力を高めていきたいです。

仕事中にYouTubeのページやヤフーニュースのページを開くことを辞めて、なんとなく情報を眺めることはやめました。

仕事を爆速で片付けることに集中します。

YouTubeやヤフーニュースを見たいときは時間を決めて時間を守るようにしました。

ちょっとした工夫でできることはあるはずです。

これからも自己コントロール能力を高めてよりよい人生を送れるようにしていきたいです。

ご拝読ありがとうございます。

Orange

 

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