パーソナリティ特性の5因子モデル(ビッグファイブ)を利用して自分にあった仕事を考えてみる。

お金の話

あなたは自分がどんな人間なのか分かっていますか?

自分のことですから分かりますよね。

私も自分のことは分かっている「つもり」です。

 

とはいえ、勘違いもあるし、理想の自分と現実の自分を混同していることもありますよね。

できれば客観的な指標で自分がどんな人間なのかを判断してみたいと思いませんか?

 

私は思います。

 

私は自分のパーソナリティ(性格)を判定してみたいです。

そして、自分のパーソナリティ(性格)に合った仕事や、働き方をしたいです。

 

ちなみに、日常的に生まれつきの性格を抑えた行動をとっていると、自律神経が覚醒した緊張状態に陥り、慢性化すると健康に悪影響を生じやすくなることが分かっています。

 

なので、自分のパーソナリティ(性格)を知ることは重要なのです。

 

そこでお勧めなのが、パーソナリティ特性の5因子モデル(通称「ビッグファイブ」)というものです。

 

パーソナリティ特性の5因子モデル(ビッグファイブ)は、心理学の分野で開発されたパーソナリティを表すモデルで、信頼性が高く、研究者たちに好んで使用されているモデルです。パーソナリティは5つしかない、という意味ではなく、色々なパーソナリティの指標はあるが、ビッグファイブと言われる主要な5つの因子に還元(集約)できる、と考えられているようです。

 

パーソナリティの5因子(ビッグファイブ)は
・誠実性
・協調性
・情緒安定性(神経質傾向)
・開放性
・外向性

の5つです。

判定方法

パーソナリティの5因子(ビッグファイブ)は、いくつかの簡単な質問に答えることで判定できます。

具体的な質問と判定方法は、専門家にお任せした方がよいでしょう。

ネット上でも質問に答えることでビッグファイブを判定してくれるサイトがあるようですが、どれが信頼できるのかよく分かりません。

なので、専門家の書いた書籍などを参考にすることをお勧めします。

心理学者のダニエル・ネトル先生の著書「パーソナリティを科学する 特性5因子であなたがわかる」の付録に「パーソナリティ評定尺度表」が付いていて、10分もかからず判定できます。

 

本書の付録に「コピーして使っていただいても構わない」と記載されているのですが、さすがにそのまま自分のブログに掲載すると著作権の問題が生じそうなの、ここには載せません。

ちなみに、ビッグファイブとは異なりますが、ペンシルベニア大学のポジティブ心理学のウェブページで自分の「強み」を測定できます。興味がある方は、別記事を書いていますので、詳細は↓です。

では、パーソナリティの5因子(ビッグファイブ)のそれぞれの因子についてみていきましょう。

誠実性

誠実性の高い人は、計画性がある、規律正しい、注意深い、忍耐強い、賢明、非衝動的などの特徴があります。

誠実性の低い人は反対に、無秩序、自発的、不注意、軽率、衝動的などの特徴があります。

 

日本語で一般的に考えられる、「あの人は誠実な人だ」、というときの誠実性とは少し異なるものと考えた方がよいです。他人に対してどう接するか、というより自分自身の行動に対する特徴であると考えられます。

 

誠実性が高いと、学業や仕事で良い結果をもたらす傾向にあるようです。自己コントロール能力に優れるので、成功する可能性が高くなるようです。

誠実性の高い人は、秩序だった予測しやすい環境にはうまく適応でき、期限内で仕事をすることが求められる環境では力を発揮するが、変化が激しく混沌とした環境は苦手になります。

 

一方、変化が激しく混沌とした環境では、誠実性が高くない人の方が突然の変化に対応できるようです。

 

なので、誠実性が高い方が優れている、ということではありません。

環境によるのです。

 

誠実性の高い人は、安定した環境で決められた期限を守る仕事が向いているのでしょう。

一方、誠実性の低い人は、変化の激しい環境で仕事をするのに向いていると思われます。

協調性

協調性の高い人は、感じがいい、協力的、友好的、支援的、同情的などの特徴があります。

一方、協調性の低い人は、皮肉屋、対立的、非友好的、意地が悪い、という特徴があります。

 

「協調性」に関しては、日本語で一般的に使用される協調性とほぼ一致する概念かと思います。

 

ちなみに、協調性に関しては、仕事での成功との関連性は高くないそうです。

とはいえ、仕事での成功との関連性は高くないというのは、全体としての統計的な傾向なので、具体的な仕事やポジションによっては、協調性が重要になるでしょう。

 

協調性が高い方が健康面によい影響を与え、また幸福度が高くなる傾向があるようです。

人間関係がうまくいく方がストレスも少なく、また幸せを感じるでしょうから、当然でしょうね。

情緒安定性(神経質傾向)

情緒安定性は他のパーソナリティ特性を増幅するアンプのような役割を担っているようです。

 

情緒安定性が高いと、浮き沈みの少ない、安定した精神状態で日常生活を過ごせます。

情緒安定性が低い人は主観的な幸福度が低く、ネガティブな感情を抱きやすく、結婚や対人関係で問題が生じやすく、仕事の満足度が低く、健康状態があまりよくない傾向があることが分かっています。

 

情緒安定性の低さは、ネガティブな物事に対する感度に大きく関連しているようです。この感度は神経学的にも説明でき、情緒安定性が低い人は、危険を察知する脳の機関である偏桃体が過敏であることが分かっています。

 

情緒安定性の低い人は、他の人なら見過ごしてしまうような小さな危険の兆候を察知し、それについて熟考する能力に優れている、とも言えます。

情緒安定性の低い人は、危険をいち早く察知して周囲に知らせることができるので、組織やチームにとって必要な存在でもあるのです。

 

なお、「情緒安定性」は「神経質傾向」と表現されている場合もあります。情緒安定性が高い=神経質傾向が低い、情緒安定性が低い=神経質傾向が高い、という意味になります。

開放性

開放性は、新しい考えや人間関係、環境をどの程度受け入れるかを表すもので、クリエイティビティ(創作的能力)と深く結びついています。

開放性が高い人は、芸術や文化に強い興味を示し、エキゾチックな味わいや匂いを好み、世界を複雑なものとしてとらえています。

対照的に、開放性が低い人は、新しい何かを試すことに抵抗を感じ、いつも通りの行動を好み、エキゾチックな誘惑にも魅力を感じません。

 

開放性が高い人は情緒安定性が低い人と同じく、不安や抑うつ、敵意などのネガティブな感情を多く体験するようです。しかし、情緒安定性が低い人とは異なり、喜びなどのポジティブな感情も多く経験するようです。

 

また、開放性は遺伝的要素が高いと言われています。
芸術的才能は遺伝的な要素が強いと一般的に言われている通りなのでしょう。

 

新しさが評価される職業での成功との関連があるようです。

外向性

日本語で一般的に外向性が高いというと、いわゆる社交的な人を指すと思いますが、5因子でいう外向性もその意味も含んでいますが、この外交性は、ポジティブな情動(報酬もしくは快の刺激)の反応に見られる程度のことです。

 

外向性が高い人はポジティブな情動に対する反応性が高く、仲間、興奮、達成、賛美、ロマンスなどの快感を手に入れるために必死になります。

一方、外向性が低い人はポジティブな情動システムの反応性が低いため、こうしたものを手に入れることの心理的利益も少ないようです。

 

外向性が高いというのは、野心家ということですかね。

外向性の高さと、仕事での成功にはある程度の相関があるようです。

成功したいというモチベーションが高いほど成功しやすいでしょうから、それはそうでしょうね、と思います。

 

また、外向性は遺伝的要素も高いようです。


以上がパーソナリティ特性の5因子モデル(ビッグファイブ)です。

たまには心理学で自分探しをしてみるのも良いのではないでしょうか。

 

自分のパーソナリティ(性格)に合った仕事をする方が成功できるでしょうし、その方が健康的でいられます。

自分のパーソナリティに合わない夢を追いかけると、私にも経験がありますがキツイですよ。

 

ちなみに、私がいくつかの書籍で紹介されている手法でビッグファイブのパーソナリティを判定したところ、情緒安定性が抜群に高く、誠実性が少し高い、協調性は普通くらいで、外向性が少し低い、開放性が極めて低い、という結果でした。

 

私は芸術にすご~く憧れているので、芸術的才能と関連性が高い開放性が極めて低いという結果は本当に残念です。

まあ、自覚していましたけど。。。

バンドに憧れギターを弾いていた頃は、自分の創作的な才能の無さに気付かされるたびに絶望的な気持ちでしたよ。。。

 

私の今の仕事はコンサル系でクライアントにサービスを提供する仕事です。論理性、多面的思考、正確性、迅速性、継続性などが求められる仕事なので、私のパーソナリティには合っているようです。だから続いているのでしょうし、それなりに成功しています。

私の場合、芸術とはあくまでも趣味としてお付き合いした方がよさそうです。

ちなみに、ビッグファイブとは異なりますが、ペンシルベニア大学のポジティブ心理学のウェブページで自分の「強み」を測定できます。興味がある方は、別記事を書いていますので、詳細は↓です。

Orange

 
 

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